葬式妨害罪、なるものが存在し、それを犯した男がいる
らしい。
パッと聞いた印象だけで言うと、妨害した者が何らかの信教上の理由によってそれを行ったとしたらどうなるのか、という疑問が湧いた。仮に棺を床に落すという行為が葬儀の儀式としてセットされている宗教があって、信者であるその人はその行為を通してより哀悼の意を強くするんだとすれば、それが現場で行われている葬式の様式にそぐわないものだったとしても、責められたものではないんじゃないかと思う。平たく言えば、哀悼の意をどう表現しようと、それは自由だ。実際に葬式のバリエーションなんて実に様々で、死肉を喰らうようなモンだってあるのだから。
今度はやや冷静に考えると、それはコンセンサスの問題である。信教を別とする親族を持つ場合、お互いの様式について充分な理解が必要だ。
結婚式妨害罪は存在しないのだろうか、なんて、愚にも付かぬ興味を抱かせる法律ではある。