全国知事会の立場では、自・民両党のマニフェストを比較すると、どうも自民党に軍配があがるようである。東国原・橋本両知事の登場で、にわかに注目を集める同会だが、逆に言うと、両知事の登場なくして注目はなかったろう。
それはさておき、民主党、というか鳩山代表のビビりっぷりは過剰である。メリット、デメリット、いろいろあるだろうけど、確かに地方分権は世の流れだし、今まで財源が「不当に」国側に偏っていたという主張も、確かにそうだろうと思う。しかし、知事会の主張に一定の理があるとしても、国政を与らんとする民主党の党首がビビっちゃいけない。いや、地方自治体より国のほうが偉い、とか、そういうことではなくて、なんでもかんでもいちいち気にしてちゃ、そもそも国政なんて(県政だってそうだが)やってらんない、ということである。同会なんて本来、その「なんでもかんでも」の一つに過ぎないはずなんで、いや、だから、偉い偉くないじゃなくて、そもそも、地方分権問題が喫緊の課題か、と問われれば、我々はNOを言わざる得ない現状なんで、気にし過ぎるだけ損なのである。
そこは今回の争点じゃないはずだ。あくまで表向き(政策レベル)は社会保障とか経済・財政、ホント(政局レベル)は政権交代、ってのが構図である。だから、鳩山氏はそんなトコで自らの威信を貶めてはならない。堂々と、「予算の組み替えさえすればここしばらくは大還元セールが可能ですよ、しがらみのない僕らだからそれをやれますよ」、「自民党の連中にやらせてる以上、組み替えも何も、予算の垂れ流しをし続けるだけですよ」みたいな主張で勝負し、片一方で「政権交代すること、そのこと自体に、国民皆さんのメリットがありますよ」という事実をほのめかす、という基本戦術を徹底さえすれば勝てる話だろう。
鳩山民主党に必要なのは、一点突破主義、すなわち、小泉純一郎的パラノイアなのではないだろうか。四年前は郵政民営化で、今回は上記の如しなだけである。上手に劇場型選挙を演出できるなら勝ったようなものだと思うのだけれど、その気配とか気負いが、どうも希薄な点が、どうも不安である。