『民主党派閥抗争史―民主党の行方』 板垣英憲著

民主党派閥抗争史―民主党の行方/板垣 英憲
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自民党について書かれたものは数多くあるが、民主党のそれはやっぱり少ない。そんな中、ある程度包括的に、かつ手頃で平易に書かれたものとして、本書はちょうど良いと思う。

筆者独自の民主党への提言として、「民主党は『友愛』民主党となれ」というのがある。オーナーである鳩山由紀夫がかねてから「友愛」を掲げていた、というのもその理由の一つだが、世界史上最大級の民主革命であるフランス革命の旗印、自由・平等・博愛のうち、今のところ自由を自由民主党が、平等を社会民主党が担っているとして、じゃあ民主党は博愛を担おうじゃないか、ということだそうだ。
なかなかウマいこと言うもんだが、ウマいという以上の「何か」は、ない。多分。

校正が甘過ぎ。次の版を待ったほうが良いかもしれない。

~覚えておくこと~
・民主党内の各派閥。小沢派「一新会」、羽田派「政権戦略研究会」、川端派「民社協会」(旧民社党系)、菅派「国のかたち研究会」、鳩山派「政権交代を実現する会」、横路派「新政局懇談会」(旧社会党系)、前原・枝野派「凌雲会」(旧さきがけの若手系)、野田派「花斉会」の、八個師団。
・結党当初、横路孝弘は「陰の党首」といわれるほどだった。それだけ社会党出身者が多く、「横路新党」の様相すら呈していた。
・前原代表の後任として、渡辺恒三擁立の動きがあった。筆者によれば、渡辺は未だに「総理大臣への夢」を抱き続けており、前原・枝野派や野田派がそれを担ぐという。
・小沢は去年の12月に訪中したが、その際にはなんと、ジャンボ機を3機もチャーターし、千人もの議員や支持者を引き連れて行ったそうだ。

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