「ハートカクテル」考 ~ vol.027 ネクタイに関する4ページ

「自由」との対比で、「(女性からの)束縛」というニュアンスがあろうものなら、明石家さんまがいかにもやりそうな噺となるのだが。いずれにせよ、見立てとしては随分上手いこと考えたもんである。大体、ネクタイそのものが「束縛」の象徴じゃないか。

もうこのあたりで、わたせせいぞう氏はじめ制作陣は、この「ハートカクテル」を、「都会派、オシャレ、バブリー’80」な路線で突っ切ろうと決めた風である。vol.6みたいな、70年代のフォークが聞こえてきそうなテイストは、もう微塵もない。

アニメ版では、「ボクのネクタイ」なるタイトルで出ている。人物のデッサンが、原作より随分洗練されていて、まるで北条司のようである。放送は87年ごろ、原作より三年程度後だと思うが、アニメファンの方々から見て、この三年間の漫画・アニメ界における作画の進歩には、すさまじいものがある、みたいなことはないのだろうか。江口寿史、鳥山明、北条司、大友克洋らの作画は、素人目たる小生の目から見ても、ほんのちょっと前の世代、つまり、70年代フォークのエッセンスがややかぶってる世代である、例えば、高橋留美子とか、あだち充とか、その辺の作家とは、随分絵の印象が違うのであるが、ちょうど小生が小学生で、いわゆる「自由帳」に描くべき絵がそれだったから、この間の「作画の進歩には、すさまじいものがある」ように思えるのである。

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