「ハートカクテル」考 ~ vol.021 虹色の風

posted on 2011年9月6日 in 「ハートカクテル」考

実は、vol.021にて「慶子」嬢が登場したにもかかわらず、カウントを忘れてしまったので、ここに付記したい。

みさ子…3
けい子…3

さて、当回ではボウタイのウサギが2度目の登場を果たす。ボードレールを読みこなすとは、なかなかインテリなウサギだが、ここにある節が、果たして本当にボードレールのものであるかどうか、小生は知らない。
ファンタジーとしての完成度が非常に高く、隙のない一作、といったところか。
ほんわかとしたカップル微笑ましい。


「ハートカクテル」考 ~ vol.020 ふたりの会社 1970-1975

posted on 2011年9月5日 in 「ハートカクテル」考

わたせせいぞう氏の作品は、一話が4ページのものが圧倒的に多い。で、左ページから始まる。右ページから始まれば見開き2面で完結するので収まりがいいのでは、とも思ったのだが、これには理由がある気がする。一つには、掲載誌の都合として、カラーページの節約が挙げられる。見開き2面だと、カラーページ3枚が必要なのに対し、左ページ開始だと、2枚でOKである。

が、そんなケチな理由ではなくて、創作上の理由があるはずだ。「ハートカクテル」の各話を注意深く見ていくと、次のようなパターンが多いことに気付く。

起…タイトルのコマ
承…3ページいっぱいまで
転…4ページ目
結…最後のコマ

このパターンが、なんとも心地よいリズムを産み出しているのだが、とりわけ、4ページ目をめくった時のインパクト、「転」に変ずるカタルシスが、左ページ開始にすることによって最大限に高まるというわけである。

当回は、このパターンによる典型と言っていい。4ページ目をめくったとたん、1975年から1984年に飛び、見事な「結」によって、彼らの時を越えた友情が、胸に迫ってくるのである。


「ハートカクテル」考 ~ vol.019 Running

posted on 2011年9月4日 in 「ハートカクテル」考

これまた淡白なカップルである。

「やがてあなたは新しい女(ひと)と知り合うのネ」「新しい恋人出来たら知らせて」
「本当に行ってしまうのかい」

などと遣り取りしてはいるが、あんたらに遠恋という選択肢はないのか、と、単身赴任歴5年の小生は思ってしまう。余計なお世話というヤツだが。

小生は、数年前より健康とダイエットのためにランニング、というよりはジョギングを趣味としており、ついにこの秋より市民マラソンにデビューすることと相成った。
想うのは、ジョギングが趣味です、なんていうのは、やはり加齢の仕業に違いない、ということだ。年齢相応にストレスみたいなものを抱え、余計な脂肪も抱え、それらから解放する手段としてジョギングほど効率が良いものは無いのであるが、若い頃はその辺の計算を出来ない、というよりは、そんな計算などしたくないので、どうしても忌諱してしまう。その忌諱が解けて、アンチエイジングの効率でもって、やっぱジョギングだよな、と思うに至ったならば、それは加齢が若さ故のこだわりを追い越したということだろう。

信号待ちで手首足首をブラブラさせて、いかにも「信号待ちのジョガーです」みたいなサマをさらすことに抵抗が無くなったら、それがアラフォージョガーの証である。

「ハートカクテル」考 ~ vol.018 父のエンブレム

posted on 2011年9月3日 in 「ハートカクテル」考

本作にはいくつかの「プチブル」レジャーが登場するが、おそらくそれらのほとんどは、作者のわたせ氏が実際に趣味としているに違いなく、だからこそのウンチクだったり専門用語だったりに溢れている。
このヨットというヤツも、おそらくそのうちの一つなんだろうが、生憎今のところ小生には無縁であるから、さほど当回には感慨が湧かない。次回のランニングで多少語りたい。


「ハートカクテル」考 ~ vol.017 スプリング・ジェントル・レイン

posted on 2011年9月2日 in 「ハートカクテル」考

「カリンカリンのフライドポテト&冷えたビールを飲」ることが、ささやかながらもどんなに贅沢なのか、わたせせいぞう氏はよく知っているに違いない。
最近の傾向では、フライドポテトは中がモッチリが良いといわれているようだが、何をか言わんや、である。アブラで揚げ上げた、まるでひねり揚げみたいな食感のヤツこそ最高なのだ。ファストフードで買ったなら、容器の底にたまってるようなのが良い。

ヒロインは、わたせせいぞう氏が描く「いい女」の中でも、とりわけ「いい女」度が高いであろう風であるが、がっちりキメた前髪は、今に至るまでスナックのチーママの定番である。

下に、アストラッド・ジルベルトの「Gentle Rain」を貼っておく。不安定なピッチがなぜかエロい、というのは、彼女が嚆矢じゃないか。






「ハートカクテル」考 ~ vol.016 彼のパパは東へ行けといった

posted on 2011年9月1日 in 「ハートカクテル」考

さほど間をおかず、再び「寡婦モノ」である。いや、「寡婦モノ」という括りもどうかとは思うが。

悲しくもあるが、むしろすがすがしい印象を残す一作。最後のページの、スッと右に伸びた義父の腕に、大人の厳しさと愛情が凝縮されているように思う。