戦略的失言

posted on 2008年12月1日 in 時事

麻生総理の在任期間、ひょっとすればひょっとして、そこそこ稼ぐんじゃないか、少なくとも前とその前の総理みたいにはならないんじゃないか、と思っていたが、ここ最近の流れを見るにつけ、どうもひょっとしない感じがしないでもない。
その理由の殆どは、もちろん失言である。
こればっかりは小沢の言うとおりで、総理としての身持ちではない、というか、そう攻撃されてしまうことを読めないところが総理としてマズい。何もマスコミがよってたかって言われなきイジメをしてるわけではない。単にワキが甘いのである。

右派的なポーズをとる総理は、得てして失言が多い。彼らは、今の日本を覆っているのは戦後の左派的な言説がもたらすルサンチマンである、と考えるから、そんな世間に対して物申さねばならぬ、彼我の差はちょっとやそっとでは埋めきれぬ、だからこの世の中において過激と思われる発言も厭わず、正々堂々と「失言」する。してなんぼだ。そう思っている。

さて、僕が近年の「大総理」と思うのは、中曽根と小泉の二名である。右派としての矜持をより強く持っていたのは中曽根だから、彼を例にとると、知的水準発言や日本不沈空母論や、色々とあったけれど、少なくとも「医師は社会的常識が欠落」とか、「たらたら飲んで、食べて」とか、そんな、矛先が直裁に内に向くような「失言」はない。
総じて言うと、「大総理」に比して、「ちっちぇーなぁ…」みたいな「失言」ばかりなのである。
ある意味ライバルの小泉と較べても、「感動した!」とかいう陽性の発露に乏しい。

ハナシは戻るが、右派的なポーズをとる総理は、得てしてパフォーマンスがお好きである。正々堂々と「失言」してなんぼなら、その「失言」こそが戦略の一環であるはずだ。
麻生にはそれがない。仮に本人の中にあるんだとしても、パフォーマーとしての資質が残念ながら及ばないのか、「失言」のネタがセコい。