『九代将軍は女だった! 平成になって覆された江戸の歴史』 古川愛哲著

九代将軍は女だった! 平成になって覆された江戸の歴史 (講談社+α新書 381-2C)/古川 愛哲
¥840
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家重女性説は、いわゆるトンデモの域を出るものではないが、例えば謙信女性説などに較べると、遺骨なんかの物証が動員される辺り、なかなかその気にさせてくれる。もしそうだとしたら、結構な悲劇であって、著者の筆致はその悲劇性をリリカルに盛り上げる。が、ロジックのアラは相当目に付く。そもそもがトンデモなものだから致し方ないのは確かだが、そこを如何に上手くダマしてくれるかに僕らは期待してるのだ。

他にも、江戸時代の数々のトリビアや事件に対する(トンデモ)解釈が掲載されていて、なかなか楽しめる。とりわけ、浅野内匠頭の刃傷事件は大名同士の「不通」問題に端を発するとの説は、ナイスなトリビアであった。ただし、歴史的事実の誤りが多い。それ自体トンデモに則った「解釈」なのか、それともただの間違いなのか。前者なら、それと分かるような書き方をして欲しい。

~覚えておくこと~
・「華族真田幸民氏の珍訴訟」
・秀忠遅参の理由は、路銀が無くて、本多政信が江戸に取りに帰っていたから?
・稲富一夢(祐直)の数奇なる人生
・「天下普請」は浪人の雇用問題対策で、それを読めずに国許から人足を連れてきた肥後加藤家は改易に?
・「尊王攘夷」の「夷」は、そもそも江戸幕府の意だった?

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